■平成30年度 夢・化学―21 化学への招待

北海道大学化学系への二日体験入学 報告

 

主催 日本化学会北海道支部
共催 夢・化学―21委員会
後援 北海道教育委員会
    札幌市教育委員会
    北海道大学
日時 平成30年7月30日(月)、31日(火)
会場 北海道大学大学院理学研究院(札幌市北区北10条西8丁目)
        〃  大学院先端生命科学研究院(札幌市北区北10条西8丁目)
        〃  大学院工学研究院(札幌市北区北13条西8丁目)
        〃  大学院地球環境科学研究院(札幌市北区北10条西5丁目)
        〃  電子科学研究所(札幌市北区北21条西10丁目)
        〃  触媒科学研究所(札幌市北区北21条西10丁目)

■7月31日(月)

 入学式

 特別講義

    講義1「大きな分子で世界最小の微細構造体に挑戦」
         佐藤 敏文(北大大学院工学研究院 教授) 

    講義2「触媒は生きている!?」
         朝倉 清(北大触媒科学研究所 教授)  

■7月31日(火)

 各研究室にて実験

 <実験題目>

 1.生命の色素を合成してみよう!
 2.擦ると色が変わる分子の合成
 3.香りの化学:小さな構造の違い、大きな香りの違い
 4.ゼオライト触媒を使って蛍光色素を作ってみよう
 5.高圧下の二酸化炭素(超臨界二酸化炭素)の不思議さを見よう
 6.ヘルスケアチップを作ってみよう−紙とスマートフォンで化学分析
 7.水と高分子の関係を探ろう!
 8.デオキシリボ核酸(DNA)を増やしてみよう!
 9.チタンアートに挑戦しよう
10.空気であなたのスマートフォンが動く:金属空気電池の作製を体験する
11.酸化物の"ひげ結晶"をつくろう
12.固体により生み出される化学の世界;光と高圧を中心に
13.色付きガラスと七宝焼を作ろう!
14.葉っぱからの色素の抽出〜光合成の科学〜
15.原子や分子の姿・形を見るには?:走査型トンネル顕微鏡で観る原子・分子の世界
16.光で快適な環境を―光触媒で汚れや臭いを分解しよう!
17.野菜・果物の鮮度を保つ触媒の働きを知る
18.高分子を作ってみよう
19.触媒研究を自分で計画・遂行する!
20.鈴木−宮浦クロスカップリングを使った変色蛍光色素の合成
21.pH指示薬を作ってみよう!
22.水素の魅力教えます: 水の光電気化学分解と燃料電池体験
23."目で見てわかる汚染水の浄化 〜化学反応を色の変化で捉えよう〜"
24.赤色や青色の金の微粒子を作ろう
25."サイコロから学ぶ化学反応 ‐化学反応の熱力学理論‐"
26.ナノの世界を作ってみよう、のぞいてみよう
27.コンピューターで見る分子の世界
28.茶を燻す!? ―ピュアなカフェインは得られるか?―
29.超伝導体を作ろう
30.光る!色が変わる!カラフルな分子「錯体」を使ってみよう
31.光で合格絵馬をつくろう
32."プリンはタマゴで出来ている?  -タンパク質分子を、わけて、見る-"
33.ゲル -生物に最も近い人工物-
34.アミノ酸から人工甘味料アスパルテームを作る
35.生体分子の構造を重さで決める -質量分析技術-

 卒業証書授与、送別会など

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夢・化学−21「化学への招待」北海道大学化学系への 二日間体験入学を終えて

福岡 淳

平成30年度夢・化学−21体験入学実行委員長
北海道大学触媒科学研究所

平成30年度の夢・化学−21体験入学は、次世代を担う高校生の皆さんに「化学」の重要性と面白さを知ってもらう目的で、平成30年7月30,31日の二日間に渡り北海道大学で開催されました。本イベントは、北海道大学のオープンキャンパス(8月5,6日)に先んじて開催され、札幌をはじめ道内の旭川、函館、足寄、帯広など各地から81名の高校生が参加しました。スケジュールの都合で例年より早めの開催になりました。参加者数はここ2-3年で70-90名の間で推移していますので、来年以降も引き続き積極的な勧誘が必要と思われます。

一日目は、佐藤敏文(北海道大学大学院工学研究院)、朝倉清高(北海道大学触媒科学研究所)の両先生に特別講義をして頂きました。佐藤先生には、高分子の基礎から応用まで大変分かりやすいお話しをいただきました。ご自身の研究内容である高分子を用いた微細構造化の最新の結果についても述べられました。また、化学を選んだ動機など高校生のときの体験も交えて興味深いお話しもいただきました。朝倉先生は、触媒とは何かから始まり、触媒の働く様子を目で見えるようになったことなどについて、最先端の成果を交えてお話しをいただきました。微分方程式が出て面食らった人がいたかもしれませんが、化学における数学の重要性にも触れていただきました。両先生の講義には複数の質問がでて、高校生の興味を引いていることが分かりました。両先生とも北大の誇る最先端研究について大変分かり易く解説して頂き、研究が基礎から応用までに繋がっている話だったこともあり好評でした。高校生のアンケートでは「ためになった」、「もっと聞きたい」、「とても面白く、実際にその技術が使われ、多くの人々のためになっていると思うと感動した。」「講義の先生方の説明が聴き取りやすく、よく理解できました。また、化学の生活への活かし方もたくさん知ることができました。」というコメントがありました。

二日目は、北海道大学の化学系研究室で実験を体験してもらいました。ご協力頂いた研究室による35テーマの中から一つを選び、各自が大学での化学実験に取り組みました。高校生は、初めて目にする最先端の分析装置に驚き、授業で習っただけで初めて手にする実験器具に感動し、「楽しかった」、「もっとしたい」、「積極的に参加した」、「実験指導が良くわかった」、「研究室(先生)と楽しく話せた」、「先生や学生の方々のお蔭で、楽しく実験できてより化学が好きになりました。」、「昼食中の疑問にも丁寧に答えて下さり、色々な話もできたので楽しかった。」など、ポジティブな意見が多く寄せられました。最初は緊張していた高校生が実験指導の学生や教員と徐々に打ち解け合い、昼食時には実験だけではなく大学生活に関して質問する参加者の姿が想像でき、充実した一日を過ごしてもらえたものと確信しております。いずれにしても、高校では味わうことができない実験の面白さを実感してもらえたことは、体験入学を企画実行したものにとっての喜びであり、「化学」を今後益々好きになり、いずれは化学系の大学や大学院を目指してくれることを期待する次第です。

 最後に、貴重な時間を割いて高校生を指導して頂いた各研究室の教員、研究員、学生の皆様、および色々とご協力頂きました日本化学会北海道支部役員の先生方に心から感謝申し上げます。また、実施にあたり講義室を提供してくださった北海道大学に厚く御礼申し上げます。そして、本体験入学の開催に際しましては、北海道教育委員会、札幌教育委員会、および北海道大学よりご後援を頂きました。重ねて御礼申し上げます。

 

■一日目

特別講義

 

 

■二日目

各研究室で実験